「助けを求めたのに…」ハラスメント相談で二次被害を生まないために

ハラスメント相談を受けた際の対応は大丈夫ですか？セカンドハラスメントに注意

ハラスメントが起こらない職場であることが望ましいのですが、私もハラスメントの相談を受ける機会がございます。今回は従業員からハラスメントの相談を受けた場合の対応について。留意していただけると良いことをまとめています。

まず「プライバシーに配慮する」「秘密を厳守する」ことは相談者が安心して話す上で必要となります。加えて、「セカンドハラスメント」に注意して臨む必要があります。

セカンドハラスメントとは、ハラスメント被害を相談したことによって生じてしまう「二次被害」のことを指します。例えば、ハラスメントを受けていると上司に相談したところ「君の我慢が足りないのでは？」と言われて精神的なダメージが増幅してしまった事例、相談内容が行為者に伝わったことで報復を受けた事例などが挙げられます。

助けを求めて相談したにもかかわらず、相談したことでかえって傷ついたとなれば与える被害が増大しますしし、不信感が会社全体へと広がって離職に繋がることもあります。

セカンドハラスメントにおいては、本人の自覚が乏しい場合も少なくありません。よくある対応としては、励まそうと「気にし過ぎなんじゃないか？」と被害を矮小化するような発言や「昔は当たり前にあったことだから」と行為者を一般化するような発言が挙げられます。

こうした不適切な対応を防ぐためには、特に管理職や相談窓口の担当者に対して適切な対応を身に付けるための研修や情報提供が欠かせません。ハラスメントの正しい知識をアップデートのほか、コミュニケーション技法の向上、それぞれの無意識な思い込みや偏見から発展するケースもあるため自己理解を深めることが考えられます。