「会議で誰も発言しない」職場、放置してませんか?心理的安全性がカギです
効果的なチームビルディングは、職場の生産性と満足度を向上させるために欠かせません。心理学の視点からチームビルディングを考えることで、組織の力動(チームダイナミクス)を理解し、強化する方法を見つけることができます。
ここでは、チームビルディングの基本的な心理学的アプローチについてご紹介します。
まず、効果的なチームの特徴を理解することが重要です。心理学者のブルース・W・タックマンは、チームの発展段階を「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」と定義しました。形成期では、メンバーが互いに知り合い、目標や役割を確認します。混乱期では、意見の対立や役割の不一致が生じますが、この段階を乗り越えることで、チームは強化されます。統一期では、メンバー間の協力と信頼が深まり、機能期では、高いレベルでの協力と成果が実現されます。これらの段階を理解し、その段階ごとに適切なサポートを提供することが、効果的なチームビルディングに繋がると考えられます。
また、メンバー間のコミュニケーション促進もチームの結束において重要な要素です。組織文化の研究で著名な心理学者エドガー・シャインは、心理的安全性を高めることで、チーム内の信頼関係(ラポール)が深まると指摘しています。特に、彼が提唱する「謙虚な問いかけ」のアプローチは、自分が全てを知っているという前提を捨て、相手の考えや感情、意見を丁寧に引き出すことで、率直で開かれた対話を促進します。これにより、メンバー同士が安心して意見交換できる環境が整えられます。
そのため、定期的なミーティングやワークショップを通じた意見交換や問題解決の場の設定は、健全なチーム文化を育む有効な手段となります。また、シャインの研究は、リーダーシップの在り方が組織文化の形成に大きく影響することも示しています。例えば、状況に応じてトランザクショナルリーダーシップ(成果に応じた報酬と罰を活用する管理型)とトランスフォーメーショナルリーダーシップ(ビジョンの共有や動機付けを重視する型)を使い分けることで、各メンバーのニーズに対応した柔軟なサポートが可能になります。こうしたアプローチを実践すれば、メンバー間の信頼関係がさらに強まり、健全な組織文化を醸成して、より生産的なチーム環境が実現されると考えられます。
これまで説明してきたように、チームは「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」といった段階を経る中で、心理的安全性が確保されることによって初めて信頼関係が育まれます。全員が気軽に意見を交わせる環境は、チーム全体の潜在力をしっかり引き出し、そのエネルギーが組織全体に波及する原動力となります。こうした堅実な基盤こそが、持続可能な発展と革新を支える重要なカギだと言えます。
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