組織を守るということ
“許されるはずのないこと”に、終止符を打つ
専務Cによるリベートの受領、A・Bエリアマネージャーとの共謀による売上金の搾取──。
組織の中枢を巻き込んだ不正の全容が明らかになった時、会社の経営層はある決断を迫られていた。
これは、ただの「内部不正」ではない。
会社という器が、倫理を放棄していたことの証明だった。
第三者委員会による正式な報告書には、はっきりとこう記されていた。
「専務取締役Cの行為は、刑法上の横領・背任に該当しうる重大な違法行為であると同時に、労働法上も、指揮命令系統の悪用によるハラスメント構造を内包している」
それは、会社の命運を左右する判断の連続だった。
しかし会社は逃げなかった。
まず、専務Cに対しては即時の緊急の取締役会ににて解任手続きおよび民事訴訟を提起。
損害賠償請求と並行して、横領・背任・収賄の容疑で刑事告発も行った。
エリアマネージャーA・Bについても、内部告発に協力した分を考慮しつつ、懲戒処分と損害の一部弁済を条件に諭旨解雇により自主退職で終了。再発防止の教育プログラムも整備された。
一連の対応を陣頭指揮したのは、他でもない佐野だった。
労務監査という立場で、数字の奥にある“人間の影”を追い続けた男だ。
その彼が、最後の社内報でこう記している。
「社会で許されないことが、会社で許される──。
そんな風土が生まれた瞬間、組織はゆっくりと壊れ始める。
不正は“金額”の問題ではない。
組織の芯を腐らせる“価値観の逸脱”が最大のリスクなのだ」

信頼に足る組織を作り直す
会社側は、その言葉を真摯に受け止めた。
この事件を受けて、経営層による利益相反の監視制度、定期的な匿名通報制度、役職者への倫理研修が制度化され、さらに「会社の透明性・説明責任を評価する第三者制度」の導入も決定した。
数字は一時的に落ち込んだ。
従業員からの信頼も揺らいだ。
だが──
“信頼に足る組織を作り直す”という覚悟を見せた会社側は、徐々に立ち直っていった。
事件から1年後、社内で新たに採用された新人研修資料には、ある一節が加えられていた。
「ルールを守ることは、経営の安定のためではない。
組織が社会とつながり続けるために、絶対に必要なことだ。
社会に恥じない判断を、私たちはここで下せるか」
それは、かつて佐野が会議室で語った言葉でもあった。
そして今、その言葉は新たな企業理念となって、社員ひとりひとりの胸に刻まれている。
この一件が教えてくれたのは、問題は「起きてから」では遅いということです。
私たちしえんグループは、まだ見えぬひずみの芽を摘み、組織の健全性を根本から立て直すプロフェッショナル集団です。
“許されないこと”が見過ごされる前に──人事・労務のお悩みは、ぜひ私たちにご相談ください。

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